よしもと
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地域の皆さま、こんにちは。
今年も「永山神社例大祭」が無事に斎行されました。あいにく当日は伺えなかったのですが、遠くから「パン、パン!」と空砲のような音が鳴り響き、診療の合間にもお祭りの気配を感じることができました。ところで、あの「パン、パン!」という音。北海道や東北の一部では古くから「空砲(くうほう)」と呼び親しまれていますが、正式には「信号雷(しんごうらい)」、音の鳴る数によっては「段雷(だんらい)」と呼ばれる、光ではなく音だけを響かせる昼花火の一種なのだそうです。運動会の朝に鳴り響くあの音、と言えば思い当たる方も多いのではないでしょうか。お祭りや運動会の「さあ、始まりますよ」という合図として、昔から各地で使われてきた音なのだそうです。

よしもと
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ここ最近は少しずつ蒸し暑い日も増えてきて、いよいよ夏本番だなと感じています。
さて、前置きが長くなりました。今日は、この時期に相談が増える「更年期を迎えた女性の関節の痛み」についてお話ししたいと思います。

更年期の関節の痛み・変形性関節症について

「手や指がこわばる」「あちこちの関節が痛む」——40〜60代でこうした症状が出ると、多くの方が「リウマチかもしれない」と不安になって受診されます。その痛みは決して気のせいではありません。ただ、同じような痛みでも原因はいくつかに分かれ、それぞれ治療の考え方が違います。まずは見分けることが、遠回りしない治療への第一歩です。

なぜこの年代で関節が痛むのか

関節・軟骨・腱・骨には女性ホルモン(エストロゲン)を受け取る仕組みがあり、エストロゲンには炎症をやわらげ痛みを抑える働きがあると考えられています。閉経前後にこのホルモンが低下すると、関節痛やこわばりが出やすくなります。これに加齢による軟骨のすり減りや、関節そのものの炎症(リウマチなど)が重なることもあり、痛みの「見た目」は似ていても中身が異なります。

よく似た3つの原因を見分ける

下の3つは、この年代の関節の痛みでとくに多く、また互いに紛らわしいものです。同じ項目を上から見比べると違いがわかります。

① 早期の関節リウマチ

見逃したくないもの
多い方

30〜50代を中心に女性に多い(男性の約3〜4倍)。どの年代でも起こります。

痛みの出方

動かしていない時や夜間・明け方に強い。関節そのものの炎症による痛みです。

朝のこわばり

30分〜1時間以上続くことが多い(手がこわばってグーがしにくい)。

関節の腫れ

押すとやわらかい腫れ(関節の内張り=滑膜の炎症)。左右対称に出やすい。

出やすい関節

手指の付け根・第2関節・手首・足の付け根。指先の関節はふつう侵しません

ほかの症状

微熱・だるさ・体重減少をともなうことがあります。

検査

血液の炎症反応(CRP・血沈)上昇、リウマチ因子・抗CCP抗体、関節エコーで炎症、進むとレントゲンで骨の欠け。

治療の考え方

免疫の働きを調整する薬(メトトレキサートなど)で炎症を抑えます。炎症が続く期間が短いほど関節を守りやすいことがわかっています。

受診の目安

上の特徴に当てはまるようなら、一度ご相談ください。診察と検査で見分けがつきます。

② 更年期に伴う関節症状

ホルモンの影響
多い方

45〜55歳前後、閉経前後の女性。エストロゲンの低下が背景にあります。

痛みの出方

多くの関節が広くうずく・こわばる。日によって場所が変わることもあります。

朝のこわばり

あっても短め(30分以内のことが多い)。ただし個人差があります。

関節の腫れ

はっきりした腫れは通常ありません。ここがリウマチとの大きな違いです。

出やすい関節

手指・手首などリウマチと似た場所に出ることがあり、紛らわしいのが特徴です。

ほかの症状

ほてり・発汗・睡眠の乱れ・気分の落ち込み・疲れやすさなど、更年期の症状。

検査

血液の炎症反応や自己抗体は基本的に正常・陰性。エコーでも滑膜の炎症はみられません。似た症状を起こす甲状腺機能の異常が隠れていることがあり、検査を行う場合があります。

治療の考え方

運動療法(とくに筋力トレーニング)と生活の調整が土台です。筋トレは、こわばりや筋骨格の痛み・筋力低下だけでなく、ほてりや睡眠・気分・生活の質の改善にもつながることが複数の研究で報告されています(効果の確実性はまだ研究途上の部分もあります)。エストロゲンの低下で落ちやすい筋肉・骨を守る意味でも有用です。必要に応じてホルモン補充療法(HRT)などを医師と相談します。エストロゲンと関節症状の関連は指摘されていますが、まだ解明の途上にある部分もあります。

受診の目安

生活に支障があれば相談を。リウマチとの見分けのためにも、一度評価する価値があります。

③ 変形性関節症

加齢・負担による摩耗
多い方

中高年以降、加齢とともに増加。手の変形性関節症は女性に多くみられます。

痛みの出方

動かした時・使った後に痛む。休むと楽になります(進行すると安静時も痛むことも)。

朝のこわばり

あっても短時間(動かし始めのこわばり)。

関節の腫れ

骨ばった硬い腫れ・変形(指先のヘバーデン結節、第2関節のブシャール結節)。炎症のやわらかい腫れとは異なります。

出やすい関節

指先・第2関節・母指の付け根・膝・股・背骨など負担のかかる関節。リウマチと違い指先にも変形を来します

ほかの症状

発熱やだるさなどの全身症状は基本的にありません。

検査

炎症反応・自己抗体は正常・陰性。レントゲンで関節のすき間が狭くなる、骨のとげ(骨棘)がみられます。

治療の考え方

運動・体重管理・外用の鎮痛などが基本。装具や、進行例では手術も選択肢。痛みをやわらげ、動きを保つことが目標です。

受診の目安

日常生活に支障があれば相談を。ほかの原因との見分けも大切です。

乳がんのホルモン療法(アロマターゼ阻害薬)を受けている方へ: これらの薬は関節痛・こわばりを起こすことがあります。自己判断で中止せず、処方元の主治医の先生と相談しましょう。

これらは重なり合うこともあります

上の3つはきれいに分かれるとは限らず、たとえば「更年期の症状に変形性関節症が加わる」ことも珍しくありません。また、痛みが長く続くと、脳と関節をつなぐ神経が過敏になり、痛みそのものが増幅されやすい状態(中枢感作)ができることもあります。この場合、炎症が落ち着いていても痛みが残ることがあり、炎症を抑える薬だけでは対応しきれません。だからこそ、痛みの「原因の内訳」を見きわめて組み立てることが大切です。

「気のせい」ではありません

検査が正常でも、痛みが本物でないということには決してなりません。神経が過敏になって痛みを強く感じている状態は、実際に体の中で起きている現象です。当院は、痛みを「気のせい」で片づけることはしません。仕組みを一緒に整理し、その音量を下げていく方法を考えます。

痛みの治療は、一度で決まるものではありません

あらかじめお伝えしておきたいことがあります。慢性の関節・筋肉の痛みは、最初の一手ですべて取りきれることは基本的にありません。痛みには複数の仕組みがあり、その方に合う方法を見つけるまで、通いながら数回の調整が必要になるのがふつうです。

たとえば痛みをやわらげる薬の多くは、少量から始めて数週間かけて増やし、効果を見ていきます。「最初の薬が効かなかった=治らない」ではなく、調整の途中ということです。通院を続けていただくこと自体が治療の一部だとお考えください。

実際、この種の痛みの治療は、効果が出るまでに時間がかかるぶん、途中で通院が途切れてしまいやすい時期があります。これは特別なことではなく、慢性の痛みという経過そのものの特徴です。効いている実感がまだ乏しいうちに足が遠のいてしまうと、せっかくの調整が振り出しに戻ってしまい、いちばん困るのはご本人です。だからこそ、しんどい時期こそ、やめてしまう前に一度ご相談ください。

逆に言えば、当院は「一度で強く効く薬」をその場でお出しする外来ではありません。痛みをその場で完全に取ることを最優先すると、麻薬性の鎮痛薬のような、長く使うと不利益の大きい薬に頼ることになります。私たちが目指すのは、時間をかけて安全に、痛みと付き合いながら生活を取り戻していくことです。すぐに答えが出なくても、途中で見えなくならず、一緒に組み立てていける方をしっかり診ていきたいと考えています。焦らず、けれど続けていきましょう。

当院での診療

院長はリウマチ専門医・指導医、内分泌代謝の専門医です。関節リウマチのような炎症性の病気と、更年期・変形性関節症・ホルモンが関わる痛みの見分けを得意としています。必要な検査を見きわめ(不要な検査は行いません)、それぞれに合った治療を提案します。当院での治療が最適でない場合は、適切な医療機関へのご案内もいたします。

※このページは一般的な情報提供です。実際の診断には個々の診察・検査が必要で、受診に代わるものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せずご相談ください。

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